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最近メタルスッテ釣りで新鮮なイカを手に入れる機会が増えたのですが、イカについてけっこう衝撃的な事実を知ったので、知らない方に向けて書いておきたいと思います。
実は新鮮なイカで絶対に生で食べてはいけない部分があるのをご存じですか?
ことは大型のツツイカを釣り上げたときのこと。
やったー!めっちゃでかいイカが釣れたー!と喜んでいたところ、いつもと違う異変を発見。
げげっ!なんじゃこりゃあ!
イカの胴から白い細長い謎の物体がたくさん出てるー!(写真は家で撮ったもの。この細長い物体がイカから大量に出ていました。)
一見、最近ニュースで話題になった寄生虫のアニサキスを彷彿とさせるビジュアルですが、何かが違う。
アニサキスといえば、クネクネ動いたり丸まったりとけっこう顕著に動きますが、これはピーンとまっすぐなフォルム。
どうやらアニサキスではないっぽい…。
とりあえず生き物なのか?確かめるためにナイフでつついてみると…
こ、こいつ…動くぞ…!!!
ナイフでつつくいた瞬間に奇妙な動きをします。ひい…
正体が分からんと落ち着いて刺身も食えんよ…ということでネットで調べてみたところ、情報は少ないながらも正体が判明しました。
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正体はイカの『精莢(せいきょう)』という器官
正体はイカの『精莢(せいきょう)』というものでした。
精莢とはオスのイカの生殖器のことで、精子塊を包むカプセル。この棍棒状の器官はミサイルのような仕組みを持っており、メスの体壁に刺さることで交接を行います。
なーんだ、寄生虫じゃないのかー!ひと安心!かと思いきや、この『精莢』、恐ろしいことに新鮮な状態で生で口にしてしまうと、なんと口腔内や胃に刺さって激痛をもたらすとのこと。なにそれこわい…
この精莢をメスに刺すようにして交接します。このため,先端がやじり状となっており,一度刺さると抜けにくい構造となっています。
これを生食すると口腔内や胃に刺さり激痛を感じることもあり,また自分で抜くことも困難です。
嘘のような話ですが、実際に2008年『日本口腔外科学会雑誌』の中で症例が発表されていました。
平成17年10月4日 昼食に生のスル メイカを自宅で調理し,内臓部分を食した際に,舌や頬部に激痛を感じた.鏡で口腔内を見たところ,舌や軟口蓋,頬粘膜に白い動く寄生虫のようなものが付着しているため,近歯科を受診したが,除去困難なため救急での処置依頼となり,同日受診となった.
先端がやじり状になっているので一度突き刺さってしまうと自分で抜くのは困難なため、病院にて小切開しつつ取り除くことになるそう。
また食塩処理や湯通し程度には耐えるという報告もあるそうなので、内臓については半端な処理で食べるのは避けたほうが無難です。
実際に刺さる様子を再現したチャレンジャーも
とはいいつつも本当に人体に刺さることがあるのか?実際にこの精莢が突き刺さる様子をゼリーや鶏肉を用いて再現した方がいらっしゃいました。なんという好奇心。そして本当に刺さってます。
対処方法
対象方法はずばり内臓部分を生食しないこと。この一点に尽きます。
精莢はこのように透明な膜に覆われているので、イカを調理するときには破かないように慎重に取り外しましょう。
まれに今回のように釣り上げた時点ですでにイカの体表に大量についていたりすることもあるので、アニサキスの対策方法と同様に、調理の段階、または食べる際に必ず目視で確認することが大事です。
まとめ
なかなか衝撃的な内容ゆえにすでに有名になっていそうな話ですが、今回調べるまで全く聞いたことがなかったことも驚きのひとつでした。
釣り人はもちろんのこと、一般の方も流通が発達して新鮮なイカが手に入る機会が増えているので、知っておいて損はない知識かと思いまとめてみました。お役に立てれば幸いです。